痛みがなく日帰りで治療が可能

ジオン注射治療とは、内痔核(いぼ痔、脱肛)の治療として、最近注目されている内痔核硬化療法のひとつです。

従来の内痔核硬化療法では根治性がなく、一年程度の持続のため、定期的な継続治療が必要でした。しかしジオンは持続性があり、根治手術治療でしか治せなかった進行した内痔核(III度)でも治療効果が期待できる、画期的な治療法です。

痛みもほとんど無く、日帰りで治療を行えます。手術に代わる治療法として期待されています。

ジオン注射による効果のメカニズム

内痔核の主な症状はふたつあります。

出血

痔の出血

出血は肛門の粘膜下の血管が静脈瘤となり、その一部が破綻して起こります。


痔核の脱出(脱肛)

脱肛

脱出の原因はこの粘膜下の血管と周囲組織との固定が外れ、ずれるようになって起ります。
内痔核の治療とは、これらふたつの原因に対し有効なことをすることなのです。
そして、ジオンの主な作用である

  1. 血管を硬化して血流を遮断する作用。
  2. 炎症(無菌性)を起こし組織を癒着固定させる作用。

このふたつの作用により内痔核が消退し、元の位置に癒着固定するのです。

「ジオン注射」投与のビフォーアフター

ジオン注射は痛みを感じない内痔核に注射をするので、痛みはありません。したがって、麻酔は必要ないのですが、肛門鏡を挿入するのに抵抗がある方には、肛門を緩めるために麻酔をかけます。麻酔方法については医師におたずねください。

四段階注射法

ジオン注射は四段階注射法といって、図のようにひとつの痔核に4ヵ所にわけて注射し、薬液を十分に浸透させます。複数の痔核がある場合は同様に行ないます。注射後は落ち着くまで30分~1時間程度の安静が必要です。

ジオン注射を投与前・後の比較

ジオン投与前

ジオン投与前

内痔核がうっ血を起こして腫れている状態。


ジオン投与後

ジオン投与後

内痔核へ流れ込む血液の量が減り、腫大していた痔核は次第に小さくなり、翌日には出血が止まり、脱出の程度も軽くなります。(効果は人により異なります)

ジオン注射のメリットとデメリット

ジオン

ジオン注射のメリットは、今まで手術でしか治療できなかった脱肛を伴う内痔核でも根治が期待できることです。また大きな痛みも無く、日帰りでできることもメリットのひとつといえます。さらに特筆すべきは、抗凝固剤を服用中の患者様でも治療ができることです。

一方デメリットは、まだ開始10年ほどの新しい治療法のため、再発率や長期の合併症が不明なことです。再発率は一年後の再発率が16%と言われていますが、5年後、10年後の再発率も気になるところです。またその調査方法も重要となります。患者心理としては再発した際、必ずしも同じ病院に行くとは限らないからです。

現時点でのジオン注射治療の適応は、内痔核の分類の2度から3度の前半だと考えています。つまり、排便時に脱肛するが自然に戻る(2度)、排便時に脱肛するが指で押して容易に戻る(3度の前半)までです。

排便時に全体が大きく脱肛し、戻るのに手間と時間がかかる(3度後半)、常に痔核が出ている状態(4度)は根治手術の方が良いと考えます。また嵌頓痔核(かんとんじかく)もジオンの適応外といえるでしょう。

分類 主な症状
1度 内痔核1度
・痔核の脱出はない。
・痛みはなく、排便時に出血することが多い。
2度 内痔核2度
・排便時に脱出するが、自然ともどる。
・出血があり、痛みも出てくる。
3度 内痔核3度
・前半:排便時に脱肛するが指で押して容易に戻る。
・後半:排便時に全体が大きく脱肛し、戻るのに手間と時間がかかる。
・出血があり、痛みも出てくる。
4度 内痔核4度
・指で押し込んでももどらない。
・固くなって痛みも出血もなくなる。
・粘液がしみ出して下着が汚れる。
3度後半、4度以上は手術の適応です。

ジオン注射 治療の流れ

午前の手術
7:50 来院
準備
(着替え、麻酔準備)
手術
休憩
(個室で3〜4時間程お休み頂きます)
12:00-13:00 帰宅

午後の手術
12:20 来院
準備
(着替え、麻酔準備)
手術
休憩
(個室で3〜4時間程お休み頂きます)
17:00-18:00 帰宅